World-first one-point ground system
MCカートリッジを端的に云えば、磁力線に対して直角方向に配置されたコイルがレコードから伝わる機械的サウンド信号によって回転振動することにより、コイルにその振動速度に比例した電流が誘起する一種のトランスデューサー(変換器)と言えます。
従ってコイルが配される磁場内では磁束密度が常に一様である事が原音に忠実な再生の為には不可欠となります。
現在普及しているMC型の場合では、ボビンは透磁率が高く高周波特性が良い磁性材が使用されています。それにより非磁性ボビンより6倍高い出力を得られるので、コイルの巻き数を減らし振動系の質量を下げて広帯域再生が可能としています。
しかしながら磁性材ボビンを使用する事により、一様で有るべきな磁場がボビンの振動により攪乱され磁束密度が一様で無くなる恐れが有ることに注視しなければなりません。なぜならステレオ再生としての2つのコイルが攪乱された磁場内で左右の音声信号を発電すると言う結果になるからです。
L-chコイルR-chコイルのコイルは垂直軸から互いに左右に45度巻き方向を変えて配置されるので、2つのコイルの実質的なグランド端子位置はコイル長分隔たった互いに異なった位置に有る事になります。この状態によって左右音声出力は攪乱されたそれぞれ2つの異なった磁場内で発電した音声信号として出力すると考えられます。
この現象を皆無とする為には左右出力のアース端子位置が同一磁場内にセットされる必要が有ります。これにより攪乱された磁場内でも左右のコイルは同じ条件の磁場内で発電する事になります。
ZYXは世界で初めて唯一の手段によってワンポイトアースの両出力端子システムを開発、この問題を完全に解消することが出来ました。
この新システムはUltimate Exceed シリーズとして全機種に一挙に採用しています。
同一磁場で再生される同質の左右音声は一聴して分かる自然でクリアーな同質音声、まさに求めていた真のアナログ音声です。一例を挙げれば、大太鼓の皮の張りさえも感じる強烈でトランジェントな打音と定位感は圧巻。全てが現実音。
New Gold-Silver alloy coil wire (G-S)
従来のUltimate series では基準となるクリスタル銅線によるコイル線以外に金および銀の線材を使用した2種類のエキストラ・バージョンが有りました。Ultimate Exceed シリーズでは、それに変わりエキストラ・バージョンとして新たに開発した金と銀の合金線使用タイプ一種としています。合金加工によって線材自体の抵抗値が上がりますが、金と銀個々の特有な良さを合わせ持った独特な繊細にして芳醇、且つ広帯域なサウンドをお楽しみ頂けます。
MCカートリッジ世界初のC-1000カーボン・カンチレバー
Utimateシリーズはカーボン・ロッドを初めてカンチレバーに使用したZYXフラグシップ・モデル。このカーボン・ロッドは5μm:径のカーボン繊維1000本を強固にコンポジットされて構成されています。名称C-1000カーボンは、内部カーボン繊維の本数を表すように独自に命名しました。
C-1000カーボン・ロッドはアルミニューム、鉄、チタンより硬く、比重は従来最も軽いカンチレバー素材とされるボロンの半分と極めて軽く固い素材。カンチレバーの等価質量の軽減と広帯域再生、過渡応答の能力で理想的な素材といえます。
更に特筆すべき特長はカンチレバーが単なる単一棒でなく、1000本のカーボン線で構成されている事に有ります。単一素材の場合、針先から入る音声信号を持った振動波が一つの個体を通して伝搬する場合、振動波が内部で反射、反復を繰り返し、発電系に到達する時は振動波は乱れた状態になっていると考えられます。C-1000カーボン・カンチレバーは1000本の平行に配置された繊維により、振動経路は1000本のラインに沿って伝達、振動は乱れる事なくストレートに発電系に伝送する事になります。
軽量、硬質そしてストレートな振動伝搬、Ultimateシリーズの音を聴くとき初めて、究極の鮮明にしてダイナミックな原音を体感できるでしょう。
リアル・ステレオを可能とするカートリッジ・ボディ
前述のリアル・ステレオのための条件である第12項、第13項から、ハウジングは非金属である必要があります。金属材料を使用した場合の金属材の表面に発生する誘導電流がループを形成する構成は、カートリッジ出力の音質に対し、最悪の結果となります。Ultimateはやはりレンズにも使われる高硬質ポリカーボネイトを採用。側壁を2種の素材を組み合わせる事により、ボディ固有の振動の発生を皆無としています。
超高速応答磁気回路
前項高速応答磁気回路に更に改良を加え、発生渦電流を瞬時に消散させる機構を取り入れています。まさに究極の磁気回路、色づけの無い、滑らかにして自然な音を再生します。
マイクロリッジ・スタイラス
音の入口:再生針には、100kHz再生可能な薄板状ライン・コンタクト針を使用。ビデオ・ディスク再生用スタイラスの開発と同時に開発されたマイクロリッジ針は、天然ダイアモンドを使い、その結晶軸の最も硬質な面に沿って、レコードと接する面は幅6ミクロンの板状(リッジ)に加工、高域再生能力に関与する曲率半径を常に3ミクロンに設定しています。このリッジ形状の特長は、針先が摩耗しても、曲率半径は常に3ミクロンに保たれるという事です。そしてこのような鋭利な針先であってもラージRは60ミクロンと大きく、接地面積を十分とり、適切な接触加重としています。
Ultimateシリーズは硬質、軽量なC-1000カーボン・カンチレバーを採用している為、カンチレバーの反り、捻れは皆無、それだけ針先に架かる応力の負担は軽減されます。従って針先の寿命試験にても実証されているように、Ultimateシリーズのマイクロリッジ針は寿命2000時間を十分保証するものです。
6N無酸素銅線発電コイル
日本某社製の6N無酸素銅線、評論家間で高い評価を得た稀少な銅線を発電コイルに採用。スムーズで色づけの無い自然な音質と共に広帯域感もある優れた銅線で音楽のジャンルを問わないオールマイティーな再生能力を持っています。
Technical Data
HO:High output Model |
Type |
Moving Coil (Dynamic)
“REAL STEREO” Generator System
|
Cryogenic Treatment |
Temperature: -196 ℃ (-320оF) |
|
X:6N Crystal Copper φ 0.035mm
GS:Gold - Silver φ 0.035mm
|
Output Voltage |
0.24mV (HO:0.48mV) (3.54cm/sec, 1kHz) |
Frequency Response
±1dB |
10 Hz - 100 kHz 20 Hz - 20 kHz |
Channel Separation |
> 30dB 〔 1kHz 〕 |
Channel Balance |
< 0.5dB 〔 1kHz 〕 |
Recommended Tracking Force |
2.0gm 〔 20 ゜C-25 ゜C 〕 |
Tracking Force Range |
1.7gm - 2.5gm |
Trackability |
> 60μm /2.0gm |
EQ Compliance | horizontal |
| vertical |
|
15×10-6cm/dyne 12×10-6cm/dyne |
Internal Impedance |
X:4.0 Ω (HO:8.0 Ω) GS:24.0 Ω |
Load Impedance |
> 100Ω |
Cantilever Material |
C-1000 Carbon φ0.30mm |
Stylus |
Micro-Ridge Solid Diamond□0.1mm |
Contact Radius, Life Time |
3μm×60μm, 2000Hour/2.0gm |
Output Terminals |
φ1.25mm gold plated〔EIA〕 |
Terminal Board |
Glass Epoxy Plate |
Dimensions |
16.8mm(W)×19.0mm(L)×x15.6mm(H) |
Net Weight |
4.1gm, 6.8gm(TB2), 8.0gm(SB2) |