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はじめに


音、それは本当に不思議なものです。同じような特性(周波数特性、歪率特性)を持っている2種のアンプの比較試聴や、カートリッジの比較試聴で、全く異なる雰囲気の音を感じとることがあります。時には特性上では良いはずのソリッドステートアンプより、ローパワーの真空管アンプの方が、何故かより力強く、繊細で生き生きとした音に聞こえるといった事もあります。まさに、音は単に特性のデータだけでは語りきれない不思議さと、奥深さがあると言えます。


一例として、今までご使用のカートリッジの左右のチャンネルそれぞれの音のサウンド・バランス(低域、中域、高域、の全体域での音の量感のバランス)を、チェックされたことがあるでしょうか。アンプのバランス・ボリュームを回して、左右単独に音を聞き分けることができますが、大抵のカートリッジの場合、右側のバランスは高域によりがちで、明るく、高めのキーに偏って聞こえてくるのに対して、左側は重く、太く、低めのキーに偏っているといった異常な現象に気付かれることでしょう。
ボーカルで言えば、右側は10才若く、左側は10才年をとったような…。そして左右どちらの音にも、本来あるべき音と等しいキーとサウンドバランスを持っていない。
ということに気が付かれることでしょう。試聴したカートリッジの左右のデータ上での特性が全く同一であるにも拘らず、実際の音はアンバランスであることを。


特性データを指針にして、カートリッジの構成パーツの性能は向上してきました。円針から楕円、ライン・コンタクト、そして究極のマイクロ・リッジ針へ、カンチレバー素材では、アルミ合金から宇宙素材であるボロンへと、軽量、硬質化が進められ、トータルで広帯域、低歪率化へと性能改善されてきています。しかし、音質それ自体についてその本質的な領域ではどのような改善がなされてきているのでしょうか…。左右の音質が異なるといった重要な欠陥が存在してよいのでしょうか。弊社は、長年の研究の結果、左右の音質を不均一にする原因とそれを解消する方法を初めて確定、開発することができました。


左右の音質を異ならせる原因を簡単に述べますと、カートリッジはレコードに記録された機械的な信号を元の電気信号に変換するコンポーネント、しかし発電あるところ必ず逆起電力が発生します。左右の音の変質はこの逆氣電流が左右チャンネルに異なったベクトルで作用した結果と判断することが出来ます。長年に亘る研究の結果、逆氣電流を消去する方法として、発電系に15項目にも及ぶ条件を設定する事となってしまいました。
左右同等、且つフラットなサウンド・バランスを持つ、真のステレオを再生するMCカートリッジは、このように発電信号に何等外乱を与えないピュアーな発電系によって、世界で初めて実現化されています。


21世紀初頭日本の某社にて、革新的なクライオ処理が開発されました。従来の極低温処理システムでは-150℃でしたが、絶対零度-273℃により近い-196℃にまで達するものです。金属にこの処理を施すことにより、金属の分子構造まで本来あるべき配列に整えるほどの作用が行われ、加工歪などの組成の乱れを一掃することができるものです。弊社では、MCカートリッジとして世界で初めてこのクライオ処理を導入しています。ピュアーな発電系に、更にそれを構成する全ての金属パーツの素材自体も物性的にピュアーとして、全てにおいて理想的な発電系に完成、飛躍的な性能を発揮します。

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